壺屋焼物博物館について
土器に始まって近年の壺屋焼にいたる沖縄の焼物の歴史をひも解くと、焼物の色やかたち、文様にそのまま沖縄の歴史が現れているような気がするのが不思議です。自然を素材にして、手を使い、火をつかってつくられてきた焼物が、常に人々の暮らしの傍らにあったからでしょうか。
沖縄の“やちむん”の中心的窯場である壺屋は、現在は市街地になっていますが、戦前は閑静な農村風景の中にありました。戦災をあまり受けなったため、伝統的な石垣に囲まれた昔ながらの路地と文化財が残されていて、点在する陶器工房や販売店とともに情緒あふれる街並みを形作っています。街並みの一角にあるこの博物館は、焼物が映すさまざまな表情の中から壺屋焼をはじめとする沖縄の焼物の将来とともに、これからの那覇市・沖縄県のあり方をともに考えていく情報を探りたい、との趣旨で造られました。