第29回 シリーズ(地域とのふれあいを求めて)
識名小学校
「地域と連携し、ゆとりの中で学びを保障する学校づくり」〜 二学期制の試行 〜
本校は平成十六年度に那覇市教育委員会より「二学期制モデル校指定」を受け、他校に先駆けて「二学期制」を試行し、その成果と課題を検証することになった。
「二学期制」導入のねらいは、これまでの一年の区分を三学期から二学期に改め、長くなる学期や学期の途中にある長期休み等を利用して「確かな学力」の育成を図ることにある。「確かな学力」とは、『知識や学力はもちろんのこと、これに加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見つけ、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの』と定義づけられている。(平成十五年十月中央教育審議会答申)
本校は、平成十五・十六年度に那覇市の特色ある学校づくり支援事業を受けて、「学びをひらき、地域と共に創る学校づくり」を目指し、子どもと教師が自らの学びをひらき、「生きる力」の育成に努めてきた。特に地域ふれあいプロジェクトの若者、地域のおじいさん・おばあさんとの交流、民生児童委員の方々の協力が大きな力となった。
昨年度の取組みの成果と課題をふまえ、「二学期制」によって生み出される「ゆとり」を有効に活用していく。子どもにとって「ゆとり」とは、@時間的なゆとりA心のゆとりB学びのゆとりC関わりのゆとりD空間的なゆとりと捉える。本年度も地域との一層の融合を図りつつ、授業改善や学校行事等のあり方等について創意工夫しながら、子ども一人ひとりの「学び」保障するための実践的研究を推進するものである。
一、二学期制導入の背景
@少子化・核家族・情報化等の急激な変化
A平成十四年度新学習指導要領の全面実施
B学校完全週五日制の実施
C「ゆとり」の中で「生きる力」の育成
D時代の変化に対応した教育の見直し
二、那覇市立学校二学期制理念
〇那覇市教育委員会は・学校の自主・自立を支援
〇「開かれた学校づくり」
〇「特色ある学校づくり」
・特色ある教育課程を編成し、「生きる力」の育成
・創意工夫あふれる学びの学校づくり
・制度の導入ありきではない
・沖縄の気候、風土、文化等をふまえた独自性
・教職員、保護者、地域等の意見交流を図り、拡充へ
三、本校の取組み
〇二学期制実施の目標
「二学期制」によって生み出される「ゆとり」を有効に活用し、地域との一層の連携を図り、子ども一人ひとりの学びを保障する「確かな学力」の育成を目指す。
〇目標達成の主要施策
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学びの連続性を図り、ゆとりある教育課程の編成 |
| A |
学校行事の見直しを図る |
| B |
指導と評価の一体化 |
| C |
長期休業のあり方 |
| D |
地域との連携を図る |
〇具体的な対策
| @ |
校内二学期制検討委員会の設置(PTA・地域を含む) |
| A |
特色ある学校づくり支援事業、地域ふれあい活動、等と連動し、開かれた学校づくりを目指す。 |
| B |
学校行事の見直しを図る。運動会、学芸会等を学びの発表の場とし,四月から各教科、領域、総合的な学習の時間等の年間学習指導計画に位置付ける。 |
| C |
一つの単元や課題学習等が終わる毎に、児童の振り返りや評価を行う。「指導と評価の一体化」を校内研修で深める。「よい子のあゆみ」検討。 |
| D |
夏休みが学期の途中である。児童の実態に応じ補充的・発展的・体験的な学習に連続性を持たせる。保護者や地域の支援を得て、サマースクール開設。 |
四、二学期前半終えての現状
| @ |
「ゆとり」ある教育課程の編成や行事の見直しを図ることにより、学びを保障し、「確かな学力を身につける」工夫・改善に繋げている。運動会(九月)、学芸会(十二月)と時期やあり方を見直した。四月の早い時期に各教科、総合的な学習の時間等の年間学習指導計画に位置づけ、夏休み等に自主的に練習に取り組んだ。 |

運動会での棒術 |

学芸会 |
| A |
児童一人ひとりへの対応を大切にし、保護者との連携を密にする。教育相談週間を夏休み前(五日間)に設定し、保護者との懇談を十分に行うことができた。年三回設定(四月学級保護者会、七月個人面談、一月学級懇談会)六月日曜参観日実施。1学期「あゆみ」の所見欄 |
| B |
校内研修の内容項目に「二学期制」を生かした学習指導と評価の工夫を設定し、県外講師の実技研修、全学年授業研究会を実施し、「分かる授業」「参加する授業」を構築することができた。スペッシャリストを活用。 |
| C |
一つの単元や課題解決学習が終わる度、児童の振り返りや評価を実施し、「指導と評価の一体化」を創意工夫する。「よい子の歩み」を「あゆみ」として見直し、児童一人一人が自己評価を記入し、振り返りをきちんと位置付けた。 |

1学期「あゆみ」の所見欄 |
| D |
夏休みが学期の途中である。児童の実態や希望に応じ、補充的、発展的、体験的な学習等を繋げ、サマースクールを開校。五日間実施(七月二十一〜二十二日。八月十八〜二十日)PTA・地域で運営し十二講座開設。
初めての試みでしたが参加した児童・保護者から好評であった。 |

サマースクール「おもしろ実験」
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サマースクール「絵手紙教室」 |
| E |
特色ある学校づくり支援事業、地域ふれあい活動、子どもの居場所づくり、子ども伝統文化教室。子育て支援相談室等と連動し、「開かれた学校」「地域と共に創る学校づくり」が推進されている。 |

ふれあいプロジェクトの活動
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地域のお年寄りとの交流 |

1日校長実施 |
五、 児童の変容
| @ |
学校行事の見直しにより、運動会、学芸会が長いスパンで取組むことができ、児童の演技や表現力に充実したものが多くみられた。 |
| A |
総合的な学習の時間において、地域の自然・文化にふれる機会が多くなり、自分の住んでいる地域への理解が深まった。 |
| B |
体験的な学習の機会が増え、自分の学習課題を見つけ、解決しょうとする児童や自分の好きなものに取組む子が増えた。 |
| C |
地域ふれあい活動やサマースクールを通して、異年齢の交流や地域の人達とのコミュニケーションが広がり、地域で「あいさつ」を交わすことが多くなった。 |
| D |
夏休みや秋休みの過ごし方を家族で計画的にすごす児童が増えた。 |
| E |
地域の行事(繁多川道ずねー、識名伝統綱引き、那覇まつり、清掃活動等)に親子で参加する児童が増えた。 |
六、児童・保護者・教職員の声
| @ |
子どもたちは、二学期制になったことで、大きな違和感はもっていない。夏休みが早く終ったので、少し嫌であったが、秋休みがあって良かった。 |
| A |
保護者は、石田中学校、松城中学校が一緒に「二学期制実施」で連携が取れて良かった。
夏休みのサマースクールが開設されて良かった。しかし、夏休みや秋休みのあり方については検討が必要である。
・学芸会が十二月に実施され,おじいさん・おばあさんの参観者が多かった。観る立場からしても例年の学芸会は寒く、体調の悪い人は困っていた。今回は温かくて良かった。
・これまでの三学期制に慣れてきたため「二学期制実施」に、とまどいや不安もあったが、実施上の課題解決に向けて話し合いをしてほしい。 |
| B |
教職員は、運動会が台風で延期になり、十月七日の一学期終業式と接近し、評価等に厳しかった。次年度行事のあり方・時期等を更に検討する必要がある。実施初年度のため、いろいろな取組みが重なり、大変忙しかった。 |
七、今後の課題
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ゆとりの中で「学びの連続性」を図る「指導と評価の一体化」を目指した校内研修の充実。 |
| A |
学校行事のあり方・時期等の更なる検討。 |
| B |
夏休み、秋休みのあり方・過ごし方の具体策を立てる。 |
| C |
児童の学習状況等を保護者と綿密に教育相談を行う。 |
| D |
地域ふれあい活動と連携し、地域教育力の支援を図る。 |
| E |
長年の三学期制からの脱却。 |
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