第二十七回 シリーズ(地域とのふれあいを求めて)
鏡原中学校「旗頭」製作を通して

 

 平成十六年度那覇市教育委員会から「特色ある学校づくり支援事業」の募集があり本校は、その趣旨に賛同し応募した。かねてから鏡原中学校の「旗頭」を作りたいという希望を持っており、その拠りどころを求めていたからである。
その事業の概要は次のとおりである。

<事業のテーマ>

 

鏡原の歴史に育まれて   

   学ぼう文化 耕そう心

 

 

1.事業の目的・趣旨

 

 テーマにも見えるように、学校と地域の連携の元に本事業を展開し、さらに次のようなねらいをもって推進していこうと考えている。

1.生徒の健全育成をめざした 鏡原中学校の「旗頭」の製作と文化活動
2.地域連携
3.豊かな体験活動の充実に寄 与する

 その取り組みの中で、本稿では、特に「地域との連携」についてまとめることとする。
 現在、本校では生徒会の活発な活動や対外的なコンクール・大会などでの活躍がかなり増え、輝く場面へ登場し始めた生徒が増えてきた。自治的な活動の雰囲気も出てきている。
 そこで、さらにその気運を高めるために、子どもたちを中心において学校と地域が歩み寄る場の設定をしたいと考えた。本事業への参加については、本校区の自治会にも尽力をいただき、子どもたちの育成に当たっていただく手順が整っている。

 

2.「旗頭」制作への道のり

 

実行委員会結成

 以上のようなねらいでスタートした「旗頭」の製作は、まず実行委員会の結成に始まった。事を為すには、やはり原動力となる「人」を得なければならない。日頃から本校に心を寄せてくださっている地域自治会の中から、今回の「旗頭」製作には小禄自治会、特に青年部・部長上原清昌さん初め、青年部の皆さんに力を貸していただいた。そしてさらに、小禄自治会と学校をつないでくれたのは、小禄自治会青年部相談役で本校PTAの健全育成部長と青少年センター指導員を兼務してくださっている島袋全勝さんである。また同じく青年部相談役の高良栄一さん(本校一期生)にも、共に本事業を推進するに当たって多大なご尽力いただいた。

 

隊員募集・応募

 六月一日全校朝会にて「旗頭・耕心」について説明し募集した。保護者に対しても文書を発送して、説明と活動の了解を得ることにした。今後の協力体制を整える意味も含んでのことである。隊員として応募してきたのは一年生二名・二年生十五名・三年生十三、計三十名であった。六月四日「発足集会」を開き、初顔合わせをした。参加したのは、応募者と地域を代表する島袋さん・高良さん、学校から校長・教頭・生徒指導主事である。共に激励の言葉と決意を交わし合い、今後の活動を確認することができた。その際、旗頭のデザインも発表された。

 

製作開始

 さて、まず「トゥウルゥ・頭」といわれる部分のパーツ作りからである。布やボンド、針金・ベニヤ板から次第に形が表れてくる。子どもたちの目は真剣であった。きっと、自分たちの手で作り上げた「旗頭」が空に舞う日をイメージしたのだろう。
竿への縄編みの段階に入ると用具や場所の都合等もあり、活動場所は小禄自治会に移った。青年部と生徒と年輩の先輩と手分けして連係プレーで縄編みをする。呼吸を合わせて手を動かして、少しずつ竿に編まれていく。その熟練した「技」も中学生にとってはいい学習の材料であったと思う。
 自治会での活動になってからは、特に地域からの目と応援をいただきながらの活動になった。自治会長はじめ役員の方々や字小禄財産管理運営委員会のみなさんにも激励をいただいたことは感銘の至りである。

 

 

 

 

 

 

 

小禄自治会から一旗贈呈

 夏休み終盤に近い八月十五日に「小禄自治会大綱引き」が地域の「メーミチ」で開かれた。その中で、青年部から以前使用していた中学生用の旗を鏡原中学校へ寄贈するというプログラムが組まれていた。地域の皆さんの見守る中で贈呈式が行われたことには感慨深いものがあった。この取り組みは、学校にとっても地域にとっても、相互理解を深めるうえで有効であったと確信している。また、その日に合わせて特訓を受けた生徒が旗を揚げることができた。まだ充分腰もすわらず、青年たちの支えを借りての旗もちであったが、いい体験・経験になったと思われる。そして、練習の過程においても、青年たちのように自分も力強く持ちたいというあこがれをもち、意欲につながったとことだろう。
 これで、鏡原中学校には、中学生が自分たちの手を入れて作っている旗とあわせて、計二旗の旗を所有することになる。

 

入魂式

 出来上がった旗頭は、九月十八日に自治会から本校に搬入された。そして、十月二日、沖縄のよき慣習に則り満ち潮にあわせて「入魂式」を執り行った。このような「心」も学んで欲しいと考えたからである。当日は厳粛な雰囲気の中で式典が進められた。

 

3.まとめ

 

 本事業を通して、子どもたちの健全育成を図るという共通の目標に基づいて集った大人が、それぞれの持ち場を理解し、知恵と力を出し合い協力する一連の姿を確認することができた。
 地域と学校が心を寄せ合って一つのことに向かったとき、成し遂げる大きな喜びと充実感を味わうことができる。子どもたちの体験・経験を支援すると共に、大人もいい体験・経験をさせてもらったと感じた。「子どもは地域の宝」であるとよく言われる。また「子どもは家庭で育てられ、学校で学び、地域で鍛えられる」という事も伝え聞いたことがある。まさにそのとおりである。学校は地域社会に送り出すための力をつけるところである。地域社会はその子どもたちを温かく迎え入れ、さらに鍛えていく場所でありたい。
 鏡原中学校は今後も地域とのふれあいを大切にしつつ、連携を密にし、共に子どもたちの幸せを願って、車の両輪のように歩んでいきたいと考えている。
 本事業推進に当たり、那覇市教育委員会、小禄自治会、青年部、字小禄財産管理運営委員会その他地域の方々、並びに、筆耕賜った書家の城間雨邨氏、そしてご理解とご支援を賜った保護者の皆さん各位に、心からの感謝を申し上げたい。そして、今後とも、鏡原中学校の生徒の健やかな成長のためにご協力をよろしくお願い申し上げます。
 那覇市教育委員会では、スポーツや文化・芸術の面の専門家を学校に派遣し、直接指導を受ける「スペシャリストから学ぼうプラン」を実施しております。
 今回は、八月に行われた二つの催し物について報告致します。

 

  

 

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